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食道裂孔ヘルニア

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食道裂孔ヘルニアとは?症状と原因を詳しく解説

食道裂孔ヘルニアは、食道と胃をつなぐ部分の「食道裂孔」という場所が広がってしまい、その隙間から胃の一部が胸部に入り込んでしまう状態です。この状態が進行すると、胃や食道にさまざまな症状を引き起こします。 自分がこの病気かどうか心配な方もいらっしゃるかと思いますので、ここでは食道裂孔ヘルニアの主な症状とその原因について、わかりやすくご説明します。自分の症状がこれに当てはまるかどうか、ぜひ確認してみてください。

食道裂孔ヘルニアの主な症状とは?

食道裂孔ヘルニアの症状は個人差がありますが、以下のような症状がよく見られます。
■胸焼けや胃酸の逆流
食後に胸がムカムカしたり、口の中に酸っぱい感じがすることがあります。これは、胃酸が食道に逆流することが原因です。
■呑酸(おくび)
食べ物や液体が逆流して、口の中に酸っぱさが広がることがあります。特に食後にこの症状が強く感じられることが多いです。
■飲み込む時の違和感
食べ物や飲み物を飲み込むときに、喉や胸のあたりに違和感を感じることがあります。これも食道裂孔ヘルニアの症状の一つです。
■胸の痛み
胸に鈍い痛みを感じることもあります。胃酸が食道を刺激しているためで、時には心臓の痛みと間違えられることもあります。
■吐き気やげっぷ
食後に吐き気を感じたり、げっぷが出ることがあります。胃の内容物が逆流することが原因です。

食道裂孔ヘルニアの原因とリスク要因

食道裂孔ヘルニアは、食道と胃をつなぐ部分の「食道裂孔」が広がることで起こります。以下のような要因が、発症のリスクを高めることがあります。
■加齢
年齢を重ねると、どうしても食道裂孔が弱くなり、ヘルニアが起きやすくなります。特に60歳以上の方は注意が必要です。
■肥満
体重が増えると、腹部にかかる圧力が大きくなり、食道裂孔が広がりやすくなります。
■妊娠
妊娠中はお腹に圧力がかかるため、食道裂孔ヘルニアを引き起こすリスクが高まります。
■喫煙
喫煙は胃酸の逆流を引き起こしやすく、食道裂孔ヘルニアの原因となることがあります。
■過度な飲酒や食べ過ぎ
飲酒や食べ過ぎが胃酸の分泌を増加させ、食道に逆流しやすくなります。これも食道裂孔ヘルニアの症状を悪化させることがあります。
食道裂孔ヘルニアの症状に心当たりがある方は、早めに診察を受けることをお勧めします。症状が軽度でも、早期に検査を受けることで、治療がより効果的になります。当院では、胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査を実施していますので、気になる方はぜひご相談ください。
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心当たりがある方は一度胃カメラ検査のご相談を

食道裂孔ヘルニアの症状がある場合、早期に検査を受けることが重要です。当院では、症状がある方に対して、胃カメラ検査をおすすめしています。検査を受けることで、食道裂孔ヘルニアをはじめ、さまざまな疾患が発見できます。症状が続いている方や不安を感じている方は、ぜひご相談ください。

胃カメラで発見できる疾患とは?

食道裂孔ヘルニア以外にも、胃カメラ検査を受けることで、以下のような疾患が発見されることがあります。
■逆流性食道炎
食道裂孔ヘルニアと関連することが多い疾患です。胃酸が食道に逆流して食道が炎症を起こす状態で、放置すると食道に深刻なダメージを与えることがあります。
■胃潰瘍や十二指腸潰瘍
胃酸の逆流が続くと、胃や十二指腸に潰瘍ができることがあります。胃カメラで早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。
■胃がんや食道がん
胃カメラでは、胃や食道のがんを早期に発見することも可能です。特に胃の不調が続いている場合、がんの早期発見に繋がります。
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食道裂孔ヘルニアの治療法:薬物療法と生活習慣の改善

胃カメラ検査で食道裂孔ヘルニアやその他の疾患が発見された場合、症状を軽減し、改善するための治療が必要です。食道裂孔ヘルニアの治療は、薬物療法と生活習慣の改善を組み合わせることで、効果的に進めることができます。ここでは、薬物療法や生活習慣の改善方法について詳しくご説明します。

食道裂孔ヘルニアの薬物療法とは?

食道裂孔ヘルニアが診断された場合、薬物療法は症状を管理するための重要な手段です。以下の薬剤が一般的に使用されます。
■制酸薬
胃酸の分泌を抑えるための薬で、胸焼けや胃酸逆流を軽減します。これにより、食道の粘膜が保護され、症状が緩和されます。
■プロトンポンプ阻害薬(PPI)
胃酸の分泌を強力に抑える薬で、逆流性食道炎などの症状がある場合に使われます。長期的に使用することで、食道の炎症を改善することができます。

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受容体拮抗薬

胃酸の分泌を抑える薬で、PPIよりも軽度の症状に使用されます。食後に感じる胸焼けや呑酸の症状を和らげるのに効果的です。 薬物療法は症状を管理するためのものであり、根本的な治療には生活習慣の改善も重要です。症状が改善した後も、医師の指導に従って薬の使用を続けることが勧められます。

生活習慣の改善で症状を軽減する方法

薬物療法と合わせて、生活習慣を改善することで食道裂孔ヘルニアの症状を軽減することができます。以下のような生活習慣の改善が効果的です。
■食事の改善
食べ過ぎや脂肪分の多い食事を避け、消化に良い食事を心がけましょう。また、食後に横になることを避け、食後1~2時間は立っているか座っていることが重要です。
■体重管理
肥満は食道裂孔ヘルニアを悪化させる原因となるため、適正体重を維持することが大切です。適度な運動を取り入れ、健康的な体重を維持するよう心がけましょう。
■喫煙と飲酒の制限
喫煙は胃酸の逆流を促進するため、禁煙することが症状の改善に繋がります。また、アルコールは胃酸分泌を刺激するので、控えめにしましょう。
■寝る姿勢の改善
食道裂孔ヘルニアがある場合、寝るときに頭を高くして寝ることで、胃酸の逆流を防ぎやすくなります。枕を使って、頭を高くして寝ることをお勧めします。
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食道裂孔ヘルニアの予防と再発防止のためのポイント

食道裂孔ヘルニアは、治療後も再発することがあります。再発を防ぐためには、日々の生活習慣を見直し、予防策を講じることが大切です。ここでは、食道裂孔ヘルニアの予防方法と再発を防ぐために実践すべき生活習慣、食事指導についてご紹介します。また、定期的な胃カメラ検査の重要性についても触れています。

食道裂孔ヘルニアの予防方法とは?

食道裂孔ヘルニアを予防するためには、まずは食道や胃にかかる負担を減らすことが重要です。以下のような方法が予防に効果的です。
■適正体重の維持
体重が増えると、腹部に圧力がかかり、食道裂孔が広がりやすくなります。適度な運動とバランスの取れた食事で体重を管理しましょう。
■食事の工夫
食べ過ぎや脂肪分の多い食事は胃に負担をかけ、胃酸の逆流を引き起こしやすくなります。食事は少量を頻繁に摂るようにし、消化に優しい食品を選ぶように心がけましょう。
■腹圧の上昇を避ける
重いものを持ち上げるときや激しい運動は腹圧を高め、食道裂孔ヘルニアの原因となります。日常生活では腹圧が上がらないように注意し、無理な姿勢を避けましょう。

再発を防ぐための生活習慣と食事指導

食道裂孔ヘルニアの再発を防ぐためには、日々の生活習慣を改善し、胃に優しい食事を摂ることが効果的です。以下のアドバイスを参考にして、生活習慣を見直しましょう。
■食後の姿勢に注意
食後すぐに横になることは、胃酸が食道に逆流する原因となります。食後1〜2時間は、座っているか立っていることを心がけ、体を横にしないようにしましょう。
■小分けに食事を摂る
一度に大量に食べると胃に負担がかかります。食事は少量を頻繁に摂るようにし、消化を助けるようにしましょう。
■喫煙とアルコールの制限
喫煙やアルコールは胃酸分泌を刺激し、食道裂孔ヘルニアの症状を悪化させます。禁煙や飲酒量の制限を行うことで、症状の再発を防ぐことができます。

定期的な胃カメラ検査で早期発見・再発防止

食道裂孔ヘルニアを予防するためには、症状がないうちに早期発見することが大切です。胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査を定期的に受けることで、以下のメリットがあります。
■再発の早期発見
定期的に胃カメラ検査を受けることで、食道裂孔ヘルニアの再発やそれに伴う逆流性食道炎、胃潰瘍などの症状を早期に発見することができます。
■症状の進行を防ぐ
食道裂孔ヘルニアが再発した場合でも、早期に発見することで、治療が早期に行われ、症状の進行を防ぐことができます。
■治療効果の確認
胃カメラを使用して治療後の状態をチェックすることで、治療が効果的であったかを確認し、必要に応じて治療方針を見直すことができます。

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